患者さんが求めている「良くなりたい」の意味を知っていますか?

医療者・セラピストを対象に、読脳アカデミー学長の伊東聖鎬が指導を始めたのは40年以上前、伊東が30 代の頃でした。

その頃から、伊東は同じことを言い続けています。

それは

伊東聖鎬
伊東

患者さんは、“良くなりたい”と求めている。

しかし、それに応えられる医療者やセラピストがいない。

つまり、需要があるのに供給者がいないのです。
それならば、「供給者を作ればいい」と考え、伊東聖鎬は医療者やセラピストに指導を行なってきました。
しかし、患者さんが求めている「良くなりたい」とはどういう意味か、医療者やセラピストになかなか伝わらなかったのです。

「良くなるとは、痛みや症状が無くなること」と、多くの医療者やセラピストは考えています。
しかし、患者さんが求めているのは、単に痛みや症状を無くしたいということではないのです。
(患者さん自身、自覚していない場合もありますが…。)

一体何を求めているのでしょうか。

患者さんが求めているのは「ウェルビーイング」

世界保健機関(WHO)憲章の健康の定義をご存知ですか?
1946年、WHOは健康を以下のように定義しています。

「健康とは、単に病気あるいは虚弱でないというだけでなく、肉体的、精神的、社会的完全に良好な状態(well-being)である」

「well-being(ウェルビーイング)」は、「幸福」「自分にとってより良い状態で自分が存在すること」等とも、訳されています。
患者さんが訴える「良くなりたい」は、この憲章にもあるように「病気でない」ということでなく、「ウェルビーイング」なのです。

伊東聖鎬は、難治な病気や症状を抱え「良くなりたい」と訴える人に対して、何が原因なのな、どうすればいいのかを、40年にわたり探求してきました。
その探求の中で、「読脳法」を開発したのです。

病気や症状は「幸せでない」「自分らしく生きていない」「満足、納得できる人生を送っていない」ということを訴えるサインとして現れている、ということが分かったのです。

その人が求めていることに応えるということは、「病気や症状を無くすことではなく、満足、納得、幸せに、自分らしく生きることに協力すること」なのです。
「満足、納得、幸せに、自分らしく生きる」が伊東聖鎬の言う「ウェルビーイング」なのです。

「ウェルビーイング」という言葉は、健康だけでなく福祉や企業、組織でも取り上げられるようになりました。

しかし、具体的にどういう状態なのかは明確ではありません。
それは、一人ひとりの「ウェルビーイング」は違うからです。

求めている人に必要なのは、一般的に言われている「ウェルビーイング」ではなく、自分の「ウェルビーイング」です。
それは、その人の脳の情報を読み出す以外、分からないのです。

どうすれば、満足、納得、幸せに、自分らしく生きることができるのか。
それを知っているのは、唯一自分の脳だけなのです。

1946年に、すでに「ウェルビーイング」という概念があったのに、戦後の日本の医療はそれとは真逆の方向へ進んできました。
それは、1961年に制定された国民皆保険制度が大きく影響しています。

保険治療の限界

国民皆保険制度における保険治療は、「こんな症状の時はこんな病名がつき、こんな治療を行なう」と決められています。
そして、行われる治療は、投薬で症状を抑えたり、外科的に患部を処置する等の対症療法です。
痛みや症状を無くすことに特化し、患者の「ウェルビーイング」という発想はないのです。

保険治療は、もともとそんなシステムとして国が作ったものです。
当然に患者は不満を持ちます。
その結果、医療不信、医療離れが起こり、現場の医療者達も保険治療の限界を感じています。

伊東は、40年前からそんな保険治療の限界を訴え、患者の「ウェルビーイング」に協力することが医療者、セラピストの行なうべきことだと、指導してきたのです。
しかし、その頃は「痛みや症状をただ無くすための技術」を求めて受講する医療者、セラピストがほとんどでした。

それでも、医療者、セラピストへの指導を続けていく中で、少しづつ「ウェルビーイング」の重要性に気づく人が出てきました。
そして、自分自身の「ウェルビーイング」のために、保険治療をやめ、「ウェルビーイング」に協力する活動を始める医療者も出てきました。

そんな医療者達のメッセージを紹介したサイトも開設しています。
どうぞご覧ください。

自分が行っている医療に納得できないあなたへ

アメリカ在住カイロプラクター
が語る、米国保険システムの事情

日本と異なる保険制度の国でも、やはり行き詰まりを感じている医療者がいます。

2012年12月、医療者(医師・歯科医師・柔整師)対象セミナーに、アメリカ在住のカイロプラクターF氏が参加しました。

F氏は1996年の夏渡米、アメリカのカイロプラクテック大学を卒業し、現在ロサンゼルスで開業しているカイロプラクターです。
自己紹介の中で、アメリカの保険制度事情を話してくれました。

アメリカには日本のような国民皆保険制度がなく、国民の大部分は、民間の保険会社が提供する保険に任意加入しているという保険事情は知られています。
しかし、それだけではなく、日本と同じような公的保険制度もあるそうです。
それが、政府負担のメディケア(高齢者・障害者のための保険)とメディケート(低所得者のための保険)と呼ばれるものです。

アメリカでは公的保険制度でカイロプラクテックの治療を受けることができ、その制度に頼るカイロプラクターがたくさんいるそうです。
国の財政状況が良い時期は、彼らもその恩恵を受けていたようです。
しかし、厳しくなってきて、政府は彼らに返金を要求するようになったそうです。

どこの国であろうと国のやることは同じでしょうが、3、4年くらい前からアメリカはそうなっています。
オーディットという監査の役目をする人が、保険報酬を得た医療者のところに来て、これは必要がなかった治療だから返金するようにというようになったそうです。

F氏がカイロプラクテック大学を卒業した2000年頃は、アメリカの景気が良かったので公的保険の患者さんを診ていた人たちは経済的に良かったそうですが、その人たちが今返金を迫られ、中には他国に逃げたり、裁判になったりしているそうです。

そうならないためには「たかだか20ドル30ドルの治療のために、難解な書類をたくさん書き、監査役のいう通りに治療記録を残さなければならないそうです。

保険システム自体に意味がないと思います。
患者さんが治るか治らないは、このシステムにおいてまったく関係ないですし、後になって金を返せといわれるようなシステムは、医療者にとっても意味はないです。
私は、先輩に‘国のお金にタッチするとしっぺ返しが来るから手をつけるな’と言われていたので、保険システムに頼らないでやってきました。
慢性の病気に悩んでいて、どこに行っていいのか分からないという人が、アメリカにも日本にもたくさんいると思います。
保険システムに関係なくそういう人たちにいいサービスを提供することが大切だと思います。
そのために伊東先生の読脳法を学びたいと思って、セミナーに参加しました。
伊東聖鎬
伊東

患者が訴えている症状だけを診て、医学的に診断し、病名ごとに決められている治療法を、どの患者に対しても同じように行うというやり方では、良くならないのは当然のことです。

その人の人生、さらに地球に生きているということ、宇宙に生きているということも考えなければ、難治な患者さんに対して効果を上げることはできないですよ。
35年以上前から、医療者に対して講義でこんな話をしていますが、誰もまじめに聞いてくれなかったです。
保険治療で食べていけるうちは聞こうとする医療者はいないでしょう。
習ってきたことだけを、その通りにやっていれば経済が成り立つのですから、一人ひとりの患者さんの訴えていることに応えようなどとは、考えないんでしょう。
しかし、最近ようやく話を聞いてくれる医療者が出てきました。
それは保険制度が厳しくなってきたからです。

患者は「医学的な病気だから治して欲しい」と言っているのではなく、「良くなりたい」と言っているのです。
良くなりたくて病院や治療院に行ったけれど、そこは経済活動を目的としたところなのですから、自分の求めていることに答えてくれない。
いったいどこに行けば答えてくれるのか?という状態になっており、行き場を失っている人がたくさんいます。

そして、そんな人たちに答えられる人がいないというのが実情です。

私はセミナーを始めた頃から、すでに保険医療が行き詰るのは分かっていました。
アメリカが今そんな状態だということですが、アメリカの後を追っている日本も同じように行き詰るのは分かっているのですから、医療者は早く気づくべきですよ。

病気や症状を経済の材料にするのは違っています。
自分の人生があり、やるべきことがあり、その中で必要があれば、病気や症状で困っている人にも協力するというのが、人と人との関わりです。
それを商売と考えるのは大きな間違いですよ。
そんな考えで人を良くするのは難しいですよ。

ー2012年12月23日 関東「その人研究-その人療法」セミナー(医療者対象)より抜粋

本来の医療者の役目

伊東聖鎬が医療者と関わる理由は、医療者自身の「ウェルビーイング」に協力することなのです。

「満足、納得、幸せに生きている」あるいは、「それを求めて生きている」人だから、他の人の「ウェルビーイング」に協力できるのです。
病気や症状を訴える人と関わる医療者は、そんな人になれるチャンスを持っているのだから、それを生かして欲しいのです。

伊東聖鎬
伊東

本来の医療者の役目は患者(相手)に気付かせ、学ばせることです。
なぜ病気・症状に至ったのか、原因は必ずあります。
しかし、医学、現代医療の中には原因を追究するシステムもなく、研究もありません。

人のやることは、自分の存在を確信し、自分のやるべきことは何なのかの追求を怠ることなく続けていることです。
そして自分の生きていく目標を持ち、達成させるには、どのようなことをしなければならないのかを探求することです。
それらができていない、分からないことで、自分を見失い未来が見えず、幸せが何かも分からず、路頭に迷い、自信喪失し、前途に絶望してしまい、日々の生活に活力も張りもなくなり、ただ時間をすごしてしまうのです。

そんな生活を繰り返していれば、どんな人も何らかの症状が発現し、さらに時間が経過すれば病気にもなっていきます。
症状、病気の原因も過程も分からないまま、医療者が目の前の患者の答えにならない治療を押し付けるのです。
それで保険医療者の生活は成り立ちます。
しかし、保険医療者でなく自費診療を行う治療者(カイロプラクテック、整体その他)さえも、内容は同じです。
せっかく医療を志したのだから、自分自身のために、本当の本来の医療を行った方がいいと思うのです。

ー2003年1月6日 関東「その人研究-その人療法」セミナー(医療者対象)より抜粋

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