離婚を決める前に、夫婦がまずやるべきこと

日本では「3組に1組が離婚する」と言われています。

夫婦が離婚する理由はさまざまだと思いますが、お互いに分かれるという結論を出したということです。

その結論は、夫婦の話合いからスタートします。
この話合いが二人のこの先の人生にとって、とても重要です。

それは、離婚を回避するため、あるいは自分に都合のいい条件で離婚するためではなく、人との関わりを学び、自分が成長するために、です。

離婚をするかどうか、慰謝料や財産分与をどうするか、親権や養育費をどうするか、を考えることも必要なことですが、それらを考える前に、まずやるべきは、夫婦のコミュニケーションです。

お互いに感情的になり相手を責めてしまう

離婚にいたるケースは、下記の2つの場合があります。
どちらか一方が離婚を望んでいるけれど、一方は離婚したくない。
お互いに離婚しようか悩んでいる。

いずれにしろ、離婚したい、あるいは離婚しようかと悩む理由があるはずです。
まずはそれを相手に伝えることから、話合いはスタートしますが、それがうまくいかないことが多いようです。

30代のMさんもそんな悩みを抱えていました。

Mさんは子育ての悩みをきっかけに、読脳育児を指導する伊東聖鎬が主催する「親と子の会」のセミナーに参加しました。

疑問を感じる女性

伊東先生の講義を聞く中で、なぜ、子育てがうまくいかないのか考えるようになり、自分自身のこれまでの生き方や夫婦の関係に問題があると気づきました。

周りの人や子供たちの前ではいい夫婦を演じてきたこと。
夫に不満を持っていたのに、それに向き合わずに来たこと。
そもそも、夫と結婚しようと思った理由は専業主婦になりたかったからで、夫でなければいけないという理由をもっていたなかったこと。

このままではいけないと、夫とできる限りコミュニケーションをするようにしました。
でも、話はいつもかみ合わず、このまま結婚生活を続けてもお互いに幸せではないし、子供にとっても良くないと、離婚も考えるようになりました。

離婚を前提に話合いをするようになっても、話合いが進まず、お互いに感情的になって、相手を責めてしまうばかりでした。

 

行き詰まってしまったMさんは、伊東聖鎬が開催している「女の合宿」に参加し、その問題を相談しました。

 

疑問を感じる女性
お互いにせっかちだから結論の出し合いをして、中身のない会話をずっとしてきたと思うのです。
いつも最後は感情的になって、相手のことを責めたり、決めつけたりして。
それでは意味がないと思うのですが…

人は結論の出し合いっこをやる

伊東聖鎬伊東

どうしても、人は結論の出し合いっこをやるんですよ。
それは下手なやり方ですね。
別れるという結論はいつでも出せるから、結論の出し合いっこをやって感情的に別れてもちっとも良いことはないですよ。
納得を積み重ねていって、別れる必要がでて来れば別れるということになるんです。

せっかちに結論を急ぐ必要はないのです。
まずは向かい合うことです
必要があれば必ず結論というものは出るんです。
結論が出せないのはまだ必要がないからなんです。

最後まで相手の話を聞く

伊東聖鎬伊東
せっかちな相手に対して必要なのは包容力なんですよ。
ともかく最後まで相手の話を聞いてあげるという姿勢が必要です。
それは包容力の問題だと思いますよ。
多くの人が人の話をうまく最後まで聞くということに慣れていないのです。
ともかく相手が言い終わるまでずっと聞くことですよ。
何日もあるいは何ヶ月もかけて全部言わせて上げることですよ。

夫、妻に対しての不満が大きくなった理由

伊東聖鎬伊東

そして全部出し切ったのならば、どれだけのことを言ったか2人で整理することですよ。
文章にすると、何行もないんですよ。
夫に対して、妻に対してどれだけ不満を持っているかを整理すると何行もない。
なのに、そんなに大きく膨れ上がってしまうんですよ。
何でそんなに膨れ上がったのか?

それは結局自分が幼いということなんですよ

夫婦だから得られる人と関わる利点

伊東聖鎬伊東

幼いということは、自分の引き出しが少ないということなんです。
少ないというよりも衣装ケースのような物を、ぽんぽん積み上げているだけで、どこに何をしまっているのか分からないんですよ。

整理ダンスみたいにきちんと引き出しが有ってどこに何をいれればいいのかを整理しているのが大人なんですよ。
そんな整理をしていくのが人と人との関わりなんですよ。
人との関わりというのはそういうものなんですよ。

根気強く人と関って自分の引き出しを作っていくことが、人と関る利点なのです。
せっかちに人と付き合う、感情的に人と付き合うということは、何の利点もないですよ。
人と関ると言うことは大変なことですから、それだけのものを得ないと意味がないのです。

夫婦はそれがしやすい相手同志なのです。
それは利害が近いからです。
それ以外の相手とは利害関係がないから結局そこまでの関り合いはできないんですよ。

まとめ

離婚という大きな試練を、恨みや苦しみという形で終わらせるのではなく、自分の成長につなり前向きに人生を歩んでいけるのなら、夫婦になった意味があったと思えるのではないでしょうか。

子供がいるのならなおのこと。
夫婦が別れても、子供にとって両親は二人以外いないのですから、いい関係が続くような離婚ができることが誰にとってもいいはずです。

言いたいこと、責めたいこと、納得できないことがあると思います。
でも、それをちょっと横において、相手の話を聞いてみてください。

分かっていたつもりだったけれど、相手のことを、全く分かっていなかった。
相手の言動を自分に都合よく解釈していた。
ということに、お互いに気づくと思います。

離婚を前提にした話合いで、初めて相手のことを理解できたという人もいます。
そこまで真剣に向かい合うことで、相手のことを知る、相手のことを認めるということができ、自分の中に包容力が育ってきます。

それはこれからの人生の、あらゆるシーンで人といい関わりを持つために役に立ちます。

離婚になってしまうのは仕方がないことです。
結婚を続けることで、どちらかが不幸になるのなら、それはお互いに不幸です。

しかし、離婚に至る過程で、お互いに成長し、お互いの幸せを考えられるようになれれば、それは、幸せに向かっての前向きな離婚といえます。

今、離婚問題のさなかにいる人には、きれいごとに聞こえるかもしれません。
難しいことかもしれません。

でも、あなたがこれから幸せに生きるために、夫婦のコミュニケーションを努力してみませんか。