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ナチュラルに生きる〜男と女。ホルモンが紡ぐ人生という物語〜

ふと立ち止まって考えてみる。なぜ私は昨日あんなにイライラしていたのだろう。なぜ男は、女と違って安定しているのだろう。なぜ恋に落ちる瞬間は、まるで雷に打たれたような衝撃を伴うのだろう。

そんな日常の小さな疑問の向こう側に、実は私たちを静かに、しかし確実にコントロールしている見えない力がある。それが「ホルモンという名の、生命が何億年もかけて磨き上げてきた精巧な仕組みだ。

私たちは自分の意志で生きていると思っている。

けれど本当のところ、私たちは古代から続く生物学的なプログラムに従って、人生という舞台を踊り続けているのかもしれない。

目次

男という生き物の単純さと複雑さ

テストステロンという名の王様

男性を観察していると、時として驚くほど単純で、時として理解不可能なほど複雑に思える。

その矛盾の正体は、テストステロンという一人の独裁者が支配する王国の住人だからかもしれない。

テストステロンは実に分かりやすい王様だ。「競争しろ」「勝て」「強くあれ」「縄張りを守れ」そんな明確な命令を、50歳になろうが60歳になろうが、一貫して発し続ける。

その声は年齢とともに少し小さくなることはあっても、基本的には変わらない。だからこそ男性は、ある意味で一生涯同じ人間でいられるのだ。

高校生の頃にサッカーで必死にボールを追いかけていた少年が、40歳になって会議室で売上目標を追いかけている。

形は違えど、本質は同じ。「獲物を捕らえろ」と命じているテストステロンに従っているだけなのだ。

永遠の競争者たち

男性社会を眺めていると、まるで野生のライオン達を見ているような気分になる。

オスライオンたちが、メスの注目を集めるために立派なたてがみを揺らし、低い唸り声を上げて威嚇し合っている光景は、社会の男性たちが会議室で声を張り上げている光景が、不思議なほど重なって見える。

無言の主張が飛び交う中で、彼らは疲れを知らない。なぜなら、それがテストステロンに刻まれた根源的な欲求だからだ。競争することそのものが、彼らにとっての生きる意味なのかもしれない。

しかし、この単純さが時として美しい。迷いがないからこそ、男性は一つのことに情熱を注ぎ続けることができる。一つの仕事、一つの趣味、一つの愛に対して、女には理解しがたいほどの集中力を発揮する。それもまた、テストステロンという王様の贈り物なのだ。

女という生き物の豊かさと複雑さ

変化する月の女神たち

女の心と体を支配するのは、一人の女王ではない。

女の体は、エストロゲンという女王とプロゲステロンという側近、そしてその他多くの宮廷貴族たちが、複雑な政治を繰り広げている王国だ。

しかも、この王国の権力バランスは、28日ごとに繰り返し変化する。

月曜日には「何でもできる気がする!」と意気揚々としていた女性が、木曜日には「もう何もかもイヤ!」と落ち込んでいる。

これは気まぐれでも、演技でもない。彼女の体内では、本当に別の政権が誕生しているのだ。

女の変化の激しさを、男はしばしば理解できずにいる。「昨日まで元気だったのに、なぜ今日はそんなに落ち込んでいるの?」「昨日まであんなに可憐で可愛かったのに、今日はまるで般若のようで近づけない」と困惑する。

けれど女にとって、変化することこそが自然な状態なのだ。

女の人生は壮大なドラマ

女の人生は、まさに壮大なドラマ。

思春期という激動の序章から始まり、20代の恋愛模様、30代の結婚・出産というクライマックス、そして40代以降の新たな人生の発見まで、各章ごとにホルモンバランスが大きく変化し、それに伴って、性格も価値観も劇的に変わっていく。

20代前半の彼女は、まるで好奇心旺盛な冒険家のようだった。どんな男性にも興味を示し、新しい出会いを求めて歩き回っていた。

それが30代に近づくと、突然慎重な戦略家に変身する。「この人と本当に人生を共にできるのか」と、鋭い目で相手を品定めするようになる。

そして40代を迎える頃には、今度は哲学者のような深みを湛えるようになる。

以降は、若い頃の自分を振り返り、「あの頃の私は何を考えていたのだろう」と首をかしげる。それは記憶を失ったのではない。別の人格になったのだ。

現代という舞台の複雑さ

大自然から大都会へ

私たちの祖先が暮らしていた世界は、今よりもずっとシンプルだった。小さな村で、限られた人々と出会い、自然のリズムに従って生きていた。オスはオス同士で競争し、メスはメスとして穏やかに暮らす。それで調和が取れていた。

ところが現代社会は、まるで巨大な迷路のようになってしまった。

都会の交差点を歩けば、一度に数千人の人間とすれ違う。インターネットを開けば、世界中の人と出会うことができる。選択肢が無限に広がった世界で、私たちの原始的なホルモンシステムは混乱している。

テストステロンに支配された男性は、この無限の競争相手を前にして戸惑っている。「俺は一体誰と戦えばいいのか」。

女性ホルモンに翻弄される女は、この膨大な選択肢を前にして立ちすくんでいる。「私は一体誰を選べばいいのか」。

情報過多という名の呪い

現代人の悩みの多くは、情報が多すぎることから生まれている。

恋愛マニュアルを読めば「こうすれば成功する」と書いてある。心理学の本を読めば「男女の脳の違いはこうだ」と説明されている。SNSを見れば、完璧に見える他人の生活が、嫌というほど目に飛び込んでくる。

けれど、本来はもっとシンプルなはずなのだ。

自分の体の声に耳を傾け、自然なリズムに従って生きる。

それこそが幸せなはずなのに、私たちはいつの間にか、自分の内なる声よりも、外からの情報を信じるようになってしまった。

20代の女性が「私はまだ結婚したくない」と感じているのに、周りの人々が「早く結婚しなさい」と急かす。その結果、彼女は自分の本当の気持ちが分からなくなってしまう。30代の男性が「もう少し自由でいたい」と思っているのに、社会が「いい加減に安定しろ」とプレッシャーをかける。彼もまた、自分の本心を見失ってしまう。

失われた自然なリズムを取り戻すために

月の満ち欠けのように

女にとって大切なのは、自分の中にある月のリズムを肯定すること。毎月訪れる感情の波を、「異常なこと」として恐れるのではなく、「自然なこと」として受け入れられること。

排卵期の高揚感も、月経前の憂鬱も、月経中の内省的な気分も、この変化を否定するのではなく、それぞれの時期に適した過ごし方を見つけていく。活動的な時期には積極的に行動し、内向的な時期には静かに自分と向き合う。

そうやって自分のリズムを理解している女性というのは、魅力的に見える。彼女は自分と調和して生きている。

大地のように

男にとって大切なのは、自分の中にある大地のような安定性を活かすことかもしれない。テストステロンが与えてくれる一貫性を、短所ではなく長所として捉える。

女性の変化に戸惑うのではなく、自分の安定性でそれを支える。彼女が嵐の中にいる時には灯台のような存在になり、彼女が穏やかな時には一緒に風景を楽しむ。

競争心を建設的な方向に向け、パートナーとの関係においても「勝ち負け」ではなく「協力」を選択する。

そんな男性もまた、魅力を放つ。彼は自分の本質を理解し、それを周りのために活かしている。

世代を超えて受け継いでいく

親から子へ、そして孫へ

私たちが自分のホルモンとどう向き合うかによる結果は、次の世代に大きな影響を与える。

自分のホルモンサイクルを恥じている母親の元で育った娘は、自分の変化を否定的に捉えがちになる。

母親が自然な変化を受け入れて生きている家庭では、娘も自分らしく成長していく。

競争に疲れ果てた父親の背中を見て育った息子は、男性性に対してネガティブな印象を持つ。

自分らしさを大切にし、妻を大切にして生きている父親の元で育った息子は、健全な男性性を育むことができる。

次世代への贈り物

私たちがすべき最高の贈り物は、お金でも学歴でもなく、「自分らしく生きること」の素晴らしさを伝えること。

ホルモンという自然の仕組みを受け止めて生きることの意味を、否定せずに伝えること。

そうやって育った子どもたちは、幸せな恋愛をし、より調和のとれた家庭を築くことができるだろう。

彼らが親になった時、その智恵はさらに次の世代へと受け継がれていく。

真の自由とは

生命の叡智に身を任せる

私たちはホルモンという見えない糸に操られている操り人形ではない。

ホルモンという生命の叡智に身を任せ、自分の人生を謳歌し、踊っているダンサーなのだ。

優れたダンサーは、音楽と一体になって美しい踊りを創り上げる。

私たちもホルモンのリズムに逆らうのではなく、それと調和して美しい人生を創り上げればいい。

男は大地のような一貫性を活かし、女は月と太陽のような変化の豊かさを活かす。

そして互いの違いを理解し、尊重し、補完し合う。

それが、人生という美しいダンスになるだろう。

自然への回帰と現代的な知恵の融合

現代社会に生きる私たちは、古代の知恵と現代の科学的知識の両方を活用することができる。ホルモンの働きを科学的に理解しながらも、自然のリズムに従って生きる古代からの智恵も忘れない。

テクノロジーに囲まれた生活の中でも、自分の体の声に耳を傾けることを大切にする。

情報過多の世界でも、自分の内なる声を信じる勇気を持つ。

他人と比較するのではなく、自分自身の幸せに焦点を当てる。

そんな生き方を選択した時、私たちは初めて真の自由を手に入れることができる。

自分らしさを大切に

朝起きて鏡を見る時、「今日の私はどんな気分だろう」と自分に問いかけてみる。

無理に元気になろうとするのではなく、今日の自分の状態を受け入れてみる。

パートナーがいつもと違う様子を見せた時、「どうして!」と責めるのではなく、一息おいて「どうしてかな?」と寄り添ってみる。

そんな小さな努力の積み重ねで、自分を、彼を、彼女を理解できる日が来るだろう。

ホルモンという見えない糸が紡ぐ物語の中で、私たちは今日も生きている。

その人生という物語をより美しいものにするのは、結局のところ、自分自身の選択なのだ。


この随筆は、自分の脳の情報を読んで生きることを指導している伊東聖鎬の「読脳アカデミー」の講義を元に、執筆しました。
自分らしく生きるには、自分の脳の情報を知って、そのままに生きることが大切です。
読者の皆様が、自分らしい生き方を見つけるきっかけとなれば幸いです。

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この記事の監修

世界中が画一化され、個々の個性と自主性(INDIVIDUAL)が失われていっている現代、いったい自分はどう生きればいいのかを模索する人が増えています。 個々の人生のより本質的な探究はどのように進めることができるのか。 CW読脳アカデミー学長 伊東聖鎬は、1975年より50年以上にわたり、自分の脳から答えを読み出す「読脳法」を開発し、草の根運動を展開してきました。 世界34か国で商標を登録し、読脳法の世界的な研究、指導、普及活動を行っています。

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